セロトニン合成のためには、トリプトファンを多く含むものを食べましょう
バナナはいいですよ~
なんていわれるけれど
間違っちゃぁないけど、本当の意味では、ちょっとびみょ~。

実は人間の体内において、セロトニンの90%は小腸で生成されるのです。
脳での生成は、残りわずか10%。


小腸で合成された分のセロトニンが脳へと運ばれるためには
血液脳関門を通る必要があるのだけれど、小腸で生成されたセロトニンが脳へと運ばれるには、そのために必要な酵素がいるのだわ。

つまり、結論からいうと
小腸で生合成されたセロトニンって、ほとんどは脳へはいかないのです。

だから、鬱なんかの人で、セロトニンを増やさなきゃ
って思ってる人がいるとしたら
それは、脳内セロトニンを増やすことを考えたないとダメってこと。

じゃあ、脳内でのセロトニン合成のためには
どうしたらいいの?
っていう話なわけですが。

まぁこのあたりについては、おいおい、ね。

ところで
これ、知ってる人がどれくらいいるかわからないけれど

セロトニンって、気持ちを落ち着る神経伝達物質というわけじゃないのです。

ドーパミン・ノルアドレナリン → 覚醒・興奮・やる気など、アッッパー。
GABA → 抑制、つまりダウナー。
セロトニン → 調整係

こんな感じ。

最近の鬱の薬の主流は
セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害という、作用機序をもつものになりつつあるのは、ご存知かな?

セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリン、GABAなどの、神経伝達物質のバランスを調整する作用を持った物質です。

なので、セロトニンが増えたからって、鬱にならないわけじゃないのよ。
ちゃんとドーパミンがでる必要だってあるしね。

老年性の鬱には、このドーパミン投射が不足していることも、ひとつの原因だったりしてるしね。

そして、大切な神経伝達物質の出発素材は
色々なたんぱく質が分解されてできるアミノ酸。

そしてそのアミノ酸と反応することで、次の物質へと生体内合成が進むので
反応するための物質も必要。

脳によい食べ物、食べ方というのは
セロトニンがどうのこうのしか知らないような、素人知識では、本当のことはわからんわけです。

また、セロトニンが過剰にありすぎてもダメ。
腸内のセロトニンが過剰にあると
過敏性腸症候群の原因になったり
最近の研究では、過剰な腸内セロトニンが、骨を形成することを制限してしまう
ということも、わかってきています。

つまり、腸内セロトニンが多すぎると
骨密度がスカスカの、骨粗鬆症の原因のひとつにもなりうるってこと。

健やかな心を保つために大切なのは、
セロトニンだけではなくて、様々な神経伝達物質の「バランス」なのです。

ネットをみまわしてみると
なんだか、やたら
セロトニンを増やそう!
みたいなことを、中途半端な知識で言ってる人がいたりして
中途半端な知識を広めるのって、ちょっといかがなものかなぁ
なんて、科学者のはしくれとしては、そんなことを思ったりもするのです。