いきなり、何やら難しそうなタイトルですがw
まず、弁証法って何?っていうことを、ざっくり平たく説明すると
弁証法とは、討論する・会話する・という意味のギリシャ語に由来する言葉「ディアレクティケー」の訳語です。
この言葉は問答法・討論の術という意味で、ギリシャ哲学以来の用語です。
ヘーゲル弁証法を知ってると役に立つ
ひとくちに弁証法といっても、プラトンの弁証法とか、キルケゴールの弁証法とか、色々あるんですが
一般的に弁証法というときは、ヘーゲル弁証法のことを指します。
*プラトンは紀元前300年後半から400年代のギリシアの哲学者です。
*キルケゴールというのもまた、人名で、19世紀のデンマークの哲学者です。
*ヘーゲルは、18世紀のドイツの哲学者です。
ヘーゲルいわく、ソクラテスの弁証法を「弁証法の主観的形態」といい、内的矛盾の指摘から否定を導き出すゼノン(紀元前490年頃~430年頃)を「弁証法の創始者」だとか。
ヘーゲルは、自然界や人間の歴史を絶えざる運動として捉え、その仕組みを弁証法によって説明し、弁証法の論理を確立しました。
今日の哲学用語として弁証法という時は、ヘーゲルが用いた弁証法のことを指すのが一般的です。
ヘーゲル弁証法は、簡単に一言でいうと「対立する物事から新しい見識を見いだす」方法と言えます。
ところで、なぜいきなり弁証法の投稿なんて??って思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
なぜかっていうと、ヘーゲル弁証法は、知っていると、ちょっと役に立つから。
よくラベル張りなんて言われたりする、たとえば「女性は車の運転が下手だ」みたいな思い込みというか誤謬って、案外自分ではそれがただの思い込みだって気づきにくいものだったりします。
が、ヘーゲル弁証法を使うと、それって思い込みだよね?っていうことがわかりやすくなったりしますよ。
ちょっと調べてみたら、日経ビジネスの記事に、わかりやすくヘーゲル弁証法について解説してるものがありました。
すごく平易にわかりやすく書いてあるので、参考になります。
理想を言えば、ヘーゲル自身の著作を読んで、ヘーゲル弁証法を理解するのが理想ではあるんですが
ヘーゲルの著作である「小論理学」は、はっきり言ってかなり読みにくい難しい本です。
*もちろんご興味がおありの方は、チャレンジしてみられることをおすすめしておきますが
しかも上下巻という、量的にもかなりボリューミー。
ちょっとした興味で読むには、挫折しがちな本かも…
*まぁ哲学や思想関係の本なんて、どれもそうだと言えばそうなんですが
なので、今日は、ヘーゲル弁証法を、ざっくりと書いてみようかなと。
トリアテーデ
ヘーゲルの弁証法を構成するものは、ある命題(テーゼ=正)と、それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反対命題)、そして、それらを本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)の3つで
トリアテーデの弁証法と呼ばれたりもします。
Wikipediaによると———
全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって必然的に己と対立するものを生み出す。生み出したものと生み出されたものは互いに対立しあうが(ここに優劣関係はない)、同時にまさにその対立によって互いに結びついている(相互媒介)。
最後には二つがアウフヘーベン(aufheben, 止揚,揚棄)される。このアウフヘーベンは「否定の否定」であり、一見すると単なる二重否定すなわち肯定=正のようである。しかし、アウフヘーベンにおいては、正のみならず、正に対立していた反もまた保存されているのである。
ヘーゲルの弁証法は、ソクラテスの対話と同じように、暗黙的な矛盾を明確にすることで発展させていく。———
はい、さっぱりわからんちんですねw
まず、テーゼとは、最初の命題や政治的・社会運動の根本思想のことです。
次に、アンチテーゼとは、一つの主張・命題に対立する主張・命題。反対命題。反立。反定立のことです。
そして最後に、ジンテーゼとは、あらたな高次の概念によってテーゼ(正)とアンチテーゼ(反)を統一し、矛盾を解決することで、言ってみれば総合することです。
例えば、食べるのアンチテーゼは食べない。
好きのアンチテーゼは嫌い。
まぁ反対語って考えればいいかな?
で、このテーゼとアンチテーゼをアウフヘーベンしたジンテーゼっていうものを、わかりやすく例を挙げてみます。
A:女性は車の運転が下手である(テーゼ)
B:女性は車の運転が上手い(アンチテーゼ)
C:女性には、車の運転が下手な人もいれば、上手い人もいる(ジンテーゼ)
こんな感じです。
ジンテーゼとは、ある主張Aがなされたあと、それと対立・否定・矛盾する主張Bがなされたとき
AB両者どちらをも否定・妥協することなく、両者を組み合わせた新しい主張Cとして活かしていくということです。
eathie or ではなく、both and を生み出していく考え方ということもできるかな。
難しい言い方をすると、テーゼ vs アンチテーゼ 、その葛藤からより高い概念で出た答え、それがジンテーゼってことです。
アウフヘーベン
某知事さんが言った「アウフヘーベン」って言葉は、このヘーゲル弁証法の概念なんですよ。
ヘーゲル弁証法では、元の意見(テーゼ)に、反対意見(アンチテーゼ)が出た後、テーゼとアンチテーゼとを合わせた新しい意見(ジンテーゼ)が生まれますが、このテーゼとアンチテーゼとを合わせることをアウフヘーベンと言います。
最後に、もうひとつ例を挙げて、今日の難しい話はおわり。
テーゼ:仕事が終わったら、早く帰って英気を養うことが仕事の質を向上させることが必要だ
アンチテーゼ:仕事外の飲み会などで社員同士の交流を図ることは、仕事を円滑に進めるために必要だ
この二つの主張をアウフヘーベンして、導き出したジンテーゼのひとつとして
仕事を円滑に進めるために、仕事の後の飲み会は必要であるが、頻度については社員の負担にならない程度に考慮することが大事
こんな感じです。
説明されてあらためて考えてみると、案外私たちは、特にビジネスの場なんかでは
このヘーゲル弁証法を使ってますよね。
なんだか、弁証法ってちょっと面白い
って思っていただけたかしら?
で、最後に宣伝。
こんな風に、さまざまな哲学や思想を知ることって、基礎教養だけでなく、案外実際の生活や人生に役立つものだったりするので
知的好奇心だけでなく、実際の人生にも活かしていけるといいねってことで
色々な思想や哲学をご紹介しつつ、その思想史・哲学史の流れみたいなものを解説するセミナーをします。
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