プロフィール

はじめまして、こんにちわ。
エリクソニアン コミュニケーション ラボラトリー
略してエリラボ代表の坂本です。
私はもともとが薬学家で、中枢神経系の薬の創薬研究をしていました。

 

薬学家で専門は向精神薬でしたから、もちろんそのためには人間の脳というものについての深い造形が必要で
今でいうところの脳科学者のはしりみたいなものでもありました。

それらの関係で、色々な方から鬱病や統合失調症、双極性障害などのお悩みや、薬の相談を受けることが多くありましたが
多くの方のお悩みを聞かせていただけばいただくほど
薬でしかできないことがあるかわりに、薬だけではどうしてもできないことがあることを実感するようになっていきました。

それからは、薬のプロというだけではなく
ゲシュタルト療法、アドラー心理学、認知心理学、認知行動療法などなど、さまざまな心理療法について勉強をはじめました。

中でも個人的には、ブリーフセラピー(短期療法)・解決志向アプローチには、大変にうなずけるものがあり
その始祖ともいえる20世紀最大の心理療法家と呼ばれたミルトン・エリクソンへと自然と興味が向かっていきました。

ミルトン・エリクソンといえば、それまでの「あなたはだんだん眠くなる」に代表されるような
指示的暗示と呼ばれる暗示方法を使った催眠(今では古典催眠と呼ばれています)とは全く違う独自の催眠技法を編み出した人で
彼のクライアントへの働きかけ(アプローチ)は、彼がうみだしたエリクソン催眠(現代催眠とも呼ばれます)の中から
次第に催眠と日常との垣根を越えて彼自身が使っていくようになっていったものです。

ですから、エリクソンのアプローチを理解し使いこなせるためには、エリクソン催眠を使いこなせるようになることが鍵だと考え
そこに気づいてからは、ひたすらエリクソン催眠、エリクソニアン・アプローチ(エリクソン派の働きかけ)の研究・研鑽に明けくれるようになっていきました。

ミルトン・エリクソンは、当時、アメリカで
エリクソンのところに行って治らなければ、どこに行っても治らない。
とまで言われた偉大な心理療法家で、先にも書いたようにブリーフセラピーの源流となっている人です。

エリクソンは常に、過去にこだわらず今ここを大事にしていました。
また、クライアントさんの過去のトラウマがどうであれ、過去にどんなことがあれ
クライアントさんのこれからにフォーカスをあてて、どうしたらより豊かにクライアントさんが過ごせるか、ということを
とても大切にしていた人です。

そんなこんなで、薬では扱うことの難しいものがあるということを実感したことを契機として、
お薬相談よりも、セラピーに時間をさくように変わっていって、気がついたらセラピストになっていたわけです。

私がプロのセラピストになる前にたくさん相談を受けたような方たちだけでなく
どんな人でも、生きていれば、大なり小なりつらいことはあります。
私も最愛のダンナさんを、突然死で亡くしました。

つらくて悲しくて、生きているのが難しい、と思った時期もありました。

でも今になって 振り返ってみたら、その時間も私にとっては、大切な時間だったと思っています。
その時間、悲しいのどん底を経験したからこそ

それでもどうせ生きているなら、楽しまなきゃソン!

という考えに、最終的に落ち着いていったような気がします。

長い間、本当にどん底の時間を過ごしていた私は
今の私は、果たして彼に胸を張れるんだろうか?
と、次第にそんなことを考えるようになりました。

やっと、今ここhere and now に少しづつ意識を向けていけるようになったのも、きっとエリクソンにたくさん触れていたせいなんじゃないか?
そう思っています。

エリクソンを知り、その研究をすればするほど、身に着ければつけるほど、次第に私自身もまた
自然と、過去ではなく今ここを大事にし、そして「これから」を大事にしていこうと思えるようになっていったのです。

最近の私のことを少し書いておくと
趣味はキャンプです。
特に南信州は大好きで、壮大な中央アルプスの山々を眺めながらぼ~っと過ごしたり、夜には満点の星空のもと焚火をしていると
いつも時間があっという間に過ぎていきます。

そして、人間という動物界トップにたっている存在もまた、壮大な自然の営みの中では、ほんとうにちっぽけなものに過ぎず
そして同時に、ちっぽけな個人個人にも、それぞれの人生というドラマがあるんだというそのことに、あらためて感慨深い思いを深めています。

こんな風に、今を楽しく生きていけているのも、きっとエリクソンのよい影響のひとつだと確信しています。
だからこそおすそわけ。

エリラボでは、今この時を楽しもう哲学のもと
個人セッションや各種ワークショップを通じて、そのための方法を色々とお伝えしています。