心理業界まわりの世界の人は「自己重要感」を持つことが、大事だとか何とか言ったりします。
自己重要感って、簡単に言っちゃうと 「自分のことを価値ある存在だと思う」 ことです。
自己肯定という言葉と親戚みたいな感じ、かな。
勇気がくじけている
ところで、カウンセリングを受けに来られる方というのは、時に、この自己重要感というものが低い方がたくさんいらっしゃる。
私(俺)なんて…
というやつです。
でも…と思うのです。
自己重要感を持てない方というのは、その前に、とことん、勇気がくじかれている方が多いよなぁって。
何かをしようとする時
私なんて…
っていう気持ちになっちゃうのは、踏み出す勇気がもてないとも言えるわけです。
自己重要感、その前に、自己効力感 これが持てないと、勇気も持てない。
自己効力感
これは、私には(目標に到達できる)能力があると思えることです。
簡単にざっくり言っちゃうと 私ならできる ってことね。
こんな風に言っちゃうと
それが自信ってやつじゃないの?っていう意見が返ってきそうだけれど。
そんなに大げさなものじゃなくてもいいのです。
自己効力感だの、自信だのというと、なんだかすごい大ごとな気がするかもしれませんが
*いや、しない人もいるだろうけれどね
ちょっとした小さなこと。
今までずっと、朝寝坊だった人が、週に2度ほどは朝決めた時間に起きられるようになる、程度の。
こんなことでも、続けていけば、
あれ?もしかして、週に2度だけじゃなくて、週に4度くらいできる?
みたいな気がしてくるもんですよ。
*自己効力感の萌芽、めばえですよ、これ。
そうやって、少しづつ変えていって、いつか毎日、朝決めた時間に起きられるようになったとき
私もやればできるじゃないヽ(´ー`)ノ
そんな風に思えたら、それが自己効力感ってこと。
そのためには、いきなり大きなことをしちゃだめ。
いきなり大きなことなんて、継続できないもの。
いきなり大きなことを、いきなり完全にやろうなんて、それどんな無理ゲー?
カウンセリングを受けにいらっしゃる方というのは
案外 「ゼロか100か」 みたいな「グレーゾーンのない考え方」を持ってしまってる方が多くて何かをしようとするときも、いきなり大きな目標をまずバーン!と置いて、いきなりそれに到達しようとする。
そして、それができない自分を
あぁ、やっぱり私なんて、ダメなんだ、無理なんだ…
なぁんて思っちゃうわけ。
今までできなかったことが、いきなりもんのすごい大きな目標にすぽっと到達できることなんて、無理だよ。
そんなの、仮にできたとしても、ごく一時期だけの火事場のクソ力ってやつよ。
火事場のクソ力って、アドレナリンでまくってて、超興奮状態にある
ドラクエで言えば、バーサクしてる状態。
そんなの続けたら、脳がおかしくなっちゃう。
言ってみたら、覚醒剤の常用で前頭葉が委縮してる感じ。
ね、そもそも火事場のバカ力を出し続けるのって無理な上に
あかんでしょ? そんなことしたらw
大事なことは、大きな目標に到達するまでの、小さな目標を置いて
それを継続して、ステップアップしていくこと。
いきなり階段の100段上まで、一歩で上がれるわけないでしょ?
少しづつステップアップすることが、自己効力感を高める手堅い方法
なんとなく、これくらいだったらできそう。
そう思えるようなことから、継続して習慣になるまでやってみる
そして、習慣化したら一歩だけステップアップ。
そうやって、少しづつ積み上げていくことで、人はゆっくり変化していける。
そして、そうやって積み上げていった変化は、身についたものになっていける。
エリクソンも言っています。
よい変化とは、自分にも気付かないうちに、少しづつゆっくりと起こる
って。
ここでいう良い変化とは、リバウンドしない変化っていう意味もあります。
だからこそ
まずは、これくらいだったらできるかなぁ?っていう、小さなことをコツコツと。
これが、大事。
少しづつ、火事場のクソ力にならない範囲の小さな変化を積み上げていく。
これ、エリクソンの言う雪玉効果でもあります。
自己効力感を持つこと、それが、自己重要感につながっていく
対人援助をする方も、自己重要感を満たしてあげることも大事だけれど
その前に、まずは自己効力感を満たしてあげられるような
そんな援助をしていけると、本当の意味で役に立てる援助者になれるような気がします。
自己効力感があるって、言い換えると立ち向かえる勇気が持てるってことでもあるので
ないよりも、色々なことにチャレンジもしやすくなるし
そうすることで、できる範囲が広がって、さらに自信めいたものもついてくる。
そのことによって、さらにチャレンジすることの範囲が広がって、さらに…
という、よいスパイラルに入れるんじゃないかな。
エリクソンも、いきなり大きな変化は起こさない。
小さな変化が、やがて大きな変化につながるような、そんな働きかけや課題を与えていました。
*ウォツラウィックの変化の理論でいえば、2次変化っていうのだけれど
*まぁ、難しい話はともかく…
まずは
小さなことからコツコツと。
こんなことしても…って思うくらいがちょうどいい。
これくらいならできるって思える範囲の、最初の小さな一歩を踏み出してみる。
最初の一歩を踏み出さない限り、どこへも行けやしないから。
自分をよい方向へと変えていくためにも、まずは小さな小さな変化を大事にすること
これこそが、王道です。